最近、週末になると沖縄県外の弁護士や司法書士が開催する無料相談会を告知する折込み広告をよく目にします。謳い文句は「県内で相談しづらい方も県外の弁護士、司法書士に依頼すれば安心!」みたいなもの。こんな手口に引っかかる人なんて本当にいるのかな?と思っていたら、、やっぱりいるんですね(汗汗)
以下は法テラス沖縄に勤務する冨田さとこ弁護士のブログから引用。
債務整理の目的
(中略)
先週受けた債務整理の相談で、ひどいものがありました。
ヤミ金についての相談で、消費者金融は既に東京の弁護士に依頼しているとか。事情を聞いたら、沖縄で多重債務限定の無料相談会を開いた某事務所。
やるなら全部やればいいのに、「ヤミ金は法テラスに行きなさい」と言って、消費者金融だけ受任して東京に帰って行ったとか。なんだそれ・・・。消費者金融だけなら楽だよね。本人にとっては何の解決にもならないけれど。
更にひどいことには、「ヤミ金の名前や住所が分からないなら、自分で調べなさい。調べてから法テラスに行きなさい」と指示されたとか。
調べるって、相手に電話するしかないじゃん。
自分で電話してヤミ金に「名前と住所を教えて」と言えっていうの?
そんな大変なこと、どうして依頼者本人にさせようとするの?多重債務に追い込まれた人の気持ちを知ろうともしない。相談者は追い詰められているのに、無邪気に更に追い詰める。
たぶん、ヤミ金事件を扱う覚悟もなければ、事件を扱った経験もないのでしょう。せめて間違ったアドバイスはするな!と腹立たしく思いました。
佐渡にいた頃も、何度かありました。
債務整理を「弁護士のために」やっている事務所の禍。東京の事務所に電話だけで債務整理を依頼。
ヤミ金だけ受けてもらえず、結局サラ金を整理したってヤミ金があるなら困窮状態は変わらず(ある意味サラ金のお金を回せなくなった分悪化している)、最後は会社のお金を横領して逃げて、佐渡で逮捕されたとか・・。生活状況から考えれば支払を続ける任意整理なんて不可能なんだけど、自己破産や個人再生だと弁護士や司法書士が佐渡までこなきゃいけないから、無理に任意整理をするとか。
挙げ句、給料の半分以上を積み立てろと言い、積立ができなくなった途端、弁護士費用だけ回収して、とっとと辞任とか。東京の事務所に債務整理を依頼していた方が亡くなったと、泣きながらやってきた親族。
私から当該事務所に電話をしたら、依頼者に会ったこともない登録2~3か月の弁護士が、しゃあしゃあと淡々と言いました。「守秘義務があるからお話できません。まずは文書をいただけませんか?」。
ふざけるなと思いました。
私は依頼者が亡くなったら、まずそのことに驚くし、何が起きたのかと聞くと思う。その弁護士は、電話で事件を受け、全て事務員にさせているから、この態度。
1年目から、そんなすれた仕事をしていていいの?何のために弁護士になったの?もう言い出したらキリがないのだけど、法律家が「金儲け」を債務整理の目的にしちゃいけない。
「結果的に」過払い金が回収できて、そこから相場以内の弁護士報酬をもらうというなら問題ありません。
でも、定型的に処理できるからと、最初から「金儲け」を目的にするのは絶対に間違っていると思う。
結果として、弁護士に頼む前より状況が悪化している人がいます。債務整理は、生活の再建が目的のはず・・。
たしかに沖縄県は狭い島国です。実際に会ってみたら知っている人だったというのはよくある話です。なので、県外の事務所が処理する債務整理もデメリットだけとは限りません。しかしながら、このような無料相談会の広告を打つのには必ず「理由」があります。
冷静に考えれば判断できるのかもしれませんが、藁をもつかむ気持ちで相談会に参加してみたら後に引けなくなったということでしょうか。沖縄県内で開業している司法書士や弁護士の先生に顔を見て相談するのと、県外の事務所へ電話口で相談する。何かトラブルがあったときに事務所へ直に足を運び、詳しい話を聞けるのは最大のメリットです。
「知ってやる」と「知らずにやる」結果は同じように見えても意味合いは雲泥の差があります。まずは知ってください。一人でも多くの理解が得られるといいのですが。
あと、、県内で開業しているけど、、生まれ育った地が沖縄県か県外出身かでも伝わるニュアンスや把握できる内容がビミョーに変わってきたりもします。言葉の言い回しだったり文化的な意味合いで。これも知っていたら対処できますがね(笑)